じゅうたく通信 家づくりレポート耐震構造の家とは?特徴やメリット・デメリット、耐震等級について解説

耐震構造の家とは?特徴やメリット・デメリット、耐震等級について解説

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耐震構造の家とは?特徴やメリット・デメリット、耐震等級について解説

家を建てるなら、家族が安心して暮らせる家にしたいですよね。特に地震が多い日本では、揺れに強い家を建てることが大切です。本記事では、耐震性に関わる「耐震構造」について詳しく解説します。定義や特徴、耐震構造にするメリット・デメリット、あわせて知っておきたい耐震等級についても解説するので、家を建てる予定の方は参考にしてください。

耐震構造の定義

耐震構造とは、地震などの揺れに対して耐えられるように設計された構造のことです。建物は縦の揺れには強く、横の揺れには弱い傾向があります。耐震構造の家は、縦・横どちらの揺れにも耐えられます。

基準は建築基準法によって定められており、一定の建物においては構造計算などによって確認をされます。

耐震構造の特徴

木造住宅の場合、耐震性が弱いと震度5ほどで壁などにひび割れや亀裂が見られ、震度6弱から倒壊の可能性が出てきます。一方、耐震性が高いと震度6~7でも倒壊の可能性は低く、ひび割れや亀裂、建物の傾きで留まるといわれています。

耐震構造の家は以下の方法などによって揺れに強い構造を実現しています。

  • 柱、梁、床、屋根、壁などの構造部分の強度を高める
  • 柱と柱の間に筋交いを施す
  • 耐力壁を配置する
  • 専用の接合金具を施す

耐震構造は地震対策の基本です。後ほどご紹介する制震・免震構造も、制震構造があるうえで効果を発揮します。

耐震・制震・免震の違いとは

一般的に住宅に使われているのは耐震構造ですが、近年では「制震構造」や「免震構造」も採用されるようになってきました。ここからは、耐震・制震・免震構造それぞれの違いについて見てみましょう。

制震構造

制震構造とは、地震の揺れを吸収するように設計された構造のことです。具体的には壁などに制震材を入れ、地震の揺れを吸収します。

揺れ自体を抑えるので、家の倒壊だけでなく家具などの転倒も防止できる点が特徴です。台風などの揺れにも強く、メンテナンスの手間や費用も耐震構造より軽い傾向がありますが、建築時の初期費用は高くなります。

免震構造

免震構造とは、地面からの揺れを遮断するように設計された構造のことです。具体的には建物の土台と地盤の間にゴムやボールペアリングなどの免震装置を入れることで、建物が揺れないようにします。

建物に揺れを伝えないため、家具などが倒れるリスクも少なくなります。現在の耐震工法のなかでは最も効果があるといわれていますが、コストも高いのがデメリットです。そのため木造戸建てに採用されることは少なく、マンションやビルなどに導入される傾向があります。

耐震等級についても知っておこう

耐震構造について考えるときには、耐震等級についても理解することが大切です。耐震等級とは、地震に対する建物の強度を示す指標のひとつです。耐震構造が建築基準法に基づいているのに対し、耐震等級は住宅の品質確保を目的とした品確法によって定められています。

耐震等級は建物の耐震性能によって3段階のランクに分けられ、数字が大きいほど耐震性能が高くなります。それぞれのランクの基準を見てみましょう。

耐震等級1

耐震等級1は、建築基準法で定められた最低限の耐震性能を満たしていることを示します。震度6~7の大地震に耐えられる耐震性能が備わっています。また、震度5程度の地震であれば建物の損傷がない程度の耐震性能を備えています。一般的な戸建て住宅の耐震性能は等級1に当てはまります。

耐震等級2

耐震等級2は、建築基準法で定められた耐震性能の1.25倍が備わっていることを示します。耐震等級2があれば、戸建て住宅の場合、長期優良住宅として認められます。災害時の避難場所になる学校や病院、警察などの公共施設は耐震等級2以上が必須です。

耐震等級3

耐震等級3は、建築基準法で定められた耐震性能の1.5倍が備わっていることを示します。最高レベルの耐震性能であり、消防署や警察署など防災の拠点となる施設に備わっています。

耐震構造にする以外にも大切なこと

地震から身を守る家を建てるためには、耐震構造にする以外にも大切なことがあります。ここからは、安心して暮らせる家を建てるために必要なポイントをご紹介します。

強い地盤の土地に家を建てること

建物の強さも大切ですが、まずは地盤の強さが欠かせません。地盤が弱いと地震の揺れで建物が傾いたり倒壊したりする危険性が高くなります。

例えば、川や水田など水が近くにあるエリアは地盤が弱い傾向があります。また、周辺よりも土地が低いエリアも同様です。

地盤は自分で調べることができます。国土交通省が公開している「重ねるハザードマップ」を使えば住所を入力するだけで洪水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報などを見られます。土地を検討するときには必ずチェックするようにしましょう。

家具はできるだけ造り付けにすること

地震における被害は、建物の倒壊だけが原因ではありません。本棚や食器棚などの家具が倒れてきて下敷きになったり、動線がふさがって避難が遅れたりするのも危険です。

家具の転倒を防ぐためには、できるだけ造り付けにするのがおすすめです。特に背の高い食器棚や本棚などは造り付けにすると安心です。また、寝室や子ども部屋はできるだけ家具を置かないほうがよいでしょう。収納はタンスでなくクローゼットにすれば倒れる危険性がありません。

耐震性を維持すること

耐震性能のある家を建てても、メンテナンスを怠ってしまうと効果が薄れてしまいます。耐震性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

特に注意したいのが「柱や梁の劣化」と「シロアリ被害」です。建物を支える柱や梁は、結露が発生すると腐敗し劣化してしまいます。また、木造住宅の場合、シロアリによって木材が腐敗してしまうこともあります。定期的に専門業者と確認し、必要であればメンテナンスをするようにしましょう。

安心して暮らせる耐震構造の家を注文住宅で手に入れよう

大切な家族と暮らす住まいは、安全性が重要です。耐震性はリフォームなどで後から施すことも可能ですが、注文住宅なら地盤や基礎からしっかりと耐震性の高い家を建てられます。注文住宅で地震に負けない家を手に入れてくださいね。

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