注文住宅は、夢を形にできる一生の買いもの。
間取りや仕様、住宅設備まで自分で選ぶことができる自由度の高い住宅です。

その一生の高価な買い物を、どの建築会社に依頼するのがベストなのか迷いますよね。

注文住宅の依頼先を大きく分けるとハウスメーカー、工務店、設計事務所の3つの建築業者に分かれます。
しかし、それぞれの違いや特徴を知っているようで、実はよく分からない方が多いのではないでしょうか。

今回は、注文住宅の依頼先はどこが良いのか、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。

安心感と安定した住宅性能の『ハウスメーカー』

特徴

ハウスメーカーとは、TVCMでお馴染みの全国規模で営業展開している大手の住宅建築会社。
独自性があり、自社の最新技術を導入した高性能住宅が特徴です。
建材の調達から設計、施工まで効率良くシステム化されているため、スケールメリットによって量産や供給がスムーズに行えます。
ある程度仕様を規格化していることから、品質の安定と工期も比較的短く、予定が立てやすいことも特徴の一つといえます。

メリット

ハウスメーカーの最大のメリットは、知名度のある大手企業という安心感です。
住宅の建築には様々なトラブルが絡んでくる可能性があるため、何かあっても責任を持って対処してくれるであろうという信頼感があります。
倒産するリスクも低く、アフターサービスの体制は充実してるといえるでしょう。
大きな住宅展示場では、各社のモデルハウスが見学できるなど建物のイメージが掴みやすく他社と比較できることもメリットです。

デメリット

ハウスメーカーのデメリットは、他に比べて費用が高いことです。
TVCMに住宅展示場のモデルハウスなど工務店や設計事務所と比較すると、膨大な広告費と維持費が必要です。
また、日々の技術開発の費用も必要なため高くなる側面もあるでしょう。

大手企業の安心感と信頼性に、多少高めの費用を払っても良いと思われる方であれば、自分のイメージに合ったハウスメーカーに託すのも良いのではないでしょうか。

地域密着型でコスパの高い『工務店』

特徴

いわゆる工務店とは、地元地域密着型で中小規模の住宅建築会社のことです。
施工エリアがある程度決まっていて、その地域に根付いた企業という点での信頼性は高いのではないでしょうか。
特に決められた仕様や自社製品を持たないので、フルオーダーで自由度の高い注文住宅を請け負うことができます。

メリット

工務店の最大のメリットは、設計の自由度が高く柔軟に対応してくれるところです。
規格化されたプランが無いので、施主側の自由な発想に近づけて設計できます。
また、自社で施工できることやモデルハウスの維持費などの経費がかからないため、コストパフォーマンスが高いのもメリットです。
さらに工務店は地域密着の企業なので、その地域に適した提案をすることができます。
地元ならではの提案は、その地域に根付いて商売をしているからこそできるのです。
他には、地元の工務店に建ててもらうと、トラブルの際も直ぐに駆けつけて柔軟に対応してくれるアフターサービスがあるので安心です。
建築後のメンテナンスもフォローしてくれるため、家のことは全てお任せという信頼関係が生まれやすいでしょう。

デメリット

工務店の規模にもよりますが、最新の外観や内装の提案が物足りない場合があります。
最近では、インテリアコーディネーターが常駐している工務店も多くみられますが、専門のスタッフがいない場合もあります。
また、技術的にもばらつきや得意分野など工務店によって違うため、施工事例や実績などで自分達の要望を実現してくれる業者かを確認する必要があるでしょう。

予算を抑えたい方や地域密着の信頼できる工務店が良い場合は、柔軟に対応してくれる工務店を選択するのも良いでしょう。

オリジナリティとデザインにこだわる『設計事務所』

特徴

設計事務所とは、建築設計のプロである建築士が在籍している、いわば建築のプロ集団です。
営業マンが対応するというより、建築士が直接対応するスタイルです。
施工も設計事務所の監督の下、提携している工務店が行います。

メリット

設計事務所の最大のメリットは、オリジナリティのあるデザイン性の高い住宅が建てられることです。
設計事務所は設計のみを行うため、施工と切り離して考えることができます。
そのため、施工上の制約にとらわれない思い切ったプランが生まれます。
施主側の要望を最優先に考えた注文住宅が建てられるのです。
また、奇抜なデザインや意外性のある建材の使い方など、創意工夫があり個性的な住宅が実現できます。

デメリット

設計事務所のデメリットは、打ち合わせ時間が回数、時間ともに長くなるところです。
設計事務所は全てオーダーメイドなため、使用する素材や住宅設備は選択肢の中から選ぶのではなく、施主側の要望を優先します。
そのため、打ち合わせの回数が増え設計にも相当な時間を要します。
また、自分達の要望を叶えてくれる相性の良い設計事務所なのかを判断しなければなりません。
施工事例や実績は必ず確認し、自分達のテイストに合っているかを確かめることが重要です。

個性的でデザイン性の高い住宅を望んでいる方や、打ち合わせに時間がかかってもこだわりを優先したい方には設計事務所が良いのではないでしょうか。

まとめ

ハウスメーカーを選択される方は、ブランド力と信頼性、最新の技術などを優先されます。
工務店は、地域密着性の安心感と柔軟性、コストパフォーマンスも選択理由の一つです。
設計事務所は、こだわりのあるデザイン性やオリジナリティを優先する個性的でおしゃれな感性の方が多い傾向です。

それぞれのメリットやデメリットをしっかりと考えた上で、どこが良いのか判断すれば良いのです。
いずれにせよ、自分達の夢を叶えてくれる相性の良い建築会社に依頼するのが最良の選択です。
まずは、それぞれの中から建築会社をピックアップし、リサーチするところから始めていきましょう。
きっと、自分達の方向性と感性の合う建築会社が見つかるはずです。