新潟住宅通信 家づくりコラム家族も空間も繋がる家づくり!一級建築士 加藤淳さんが設計した「ひとつながりの家」を見学してきた。

家族も空間も繋がる家づくり!一級建築士 加藤淳さんが設計した「ひとつながりの家」を見学してきた。

住まいの話題
家族も空間も繋がる家づくり!一級建築士 加藤淳さんが設計した「ひとつながりの家」を見学してきた。

新潟市の暮らしや家づくりにまつわる記事を書いている中で思うのが、やっぱりお住まいは実際に行ってみた方がわかりやすいということ。

施主さんの暮らしや個性が見られて家づくりの参考になる!!

そんなことを思っていると…Ag-工務店さんから「完成見学会にぜひ来ませんか?」と嬉しいお誘いが!

ということで、今回は一級建築士の加藤 淳さんが設計したお住まいを見学してきました。

加藤淳一級建築士事務所/代表

加藤 淳Jun Kato

埼玉県鴻巣市生まれ。命をまもる器として、耐震性を第一に考えて設計しています。その次に、健康に暮らすための性能面の向上。デザインに関しては、周辺環境や住まい手のライフスタイルなどを突き詰めれば、自然に整ってくるものと考えています。趣味は建築巡りと料理。スパイスカレーにはまっていて、毎週金曜日はカレー曜日です。

心地よい日当たりを計算したお住まい

――かなり変わった形をしているなと思ったのですが、なぜこの形にしたんですか?

加藤さん:理由のひとつは建物の一部を奥側にずらすことによって庭先を確保したかったからです。
周辺が住宅密集地だったこともあり、木の目隠しをつけることでプライバシー性の高い空間を実現しました。

――庭先のスペースだけではなく、プライバシーの確保まで考えての設計をされているんですね。お隣が空き地なんですが、設計で気にされたことはありますか?

加藤さん:庭先をなぜ確保しようと思ったのかにも繋がるのですが、現段階で空き地だったとしても、将来建物が建たないとは限らないですよね。
庭先を造らずに前面的に建てると、もし隣に建物が建ったときに光の差し込みが限られてしまって暗くなっちゃうんですよ。
なので、庭先を造り空間を空けることによって周辺の環境がどう変化しても明るいお住まいになるように設計しました。

――そうだったんですね!将来、お隣に建物が建っても明るさが確保されるんですね。その他にも理由はあるんですか?

加藤さん:他には「西日」の差し込みを遮るようにしたかったからです。
日の入り方がいいと
住まい手にとっても良いかなと思いますが、夏の「西日」は差し込みすぎると室内が暑くなってしまうので、暮らしづらく感じる方もいるかと思います。
こちらのお住まいは、建物の一部がずれていることにより、西日がリビングに直接入らないようになっています。

――今日は雲が多くてちょっとわかりづらいのですが…1日通してみるとどんな感じで光が差し込むんですか?

午前中は庭先から朝日が差し込むのでリビングを明るく照らしてくれますし、お昼以降、西日は直接入りません。
さらに、夕方でもリビングに大きい窓があるので暗くなりすぎることなく、照明がいらないくらい明るさを保つことができます。
眩しすぎて不快な思いをすることがないように、心地よさの保てる日当たりを計算しているのが特徴です。

どこに立っても視線が抜ける

――ダイニングとリビングでキッチンを挟んでいる間取りって面白いですね!あえて、この間取りにしたワケはあるんですか?

加藤さん:あまり見かけないですよね。LDKと聞くとリビングとダイニングがひとまとめになっているのがオーソドックスかなと思いますが…。
今回のお住まいはLDKの部分が細長い形をしていたので、これをどうにか活かしてひとつひとつの空間に家族の居場所ができないかなと考えました。

――ダイニングはご飯を食べる空間、リビングはテレビをみる空間として分けたかったのでこの間取りすごくいいなと感じました。でも空間が分かれていても、不思議と圧迫感もないですね。

加藤さん:そうなんです!リビングとダイニングに吹き抜けを設けることによって天井の角が見えなくなり、広く感じるようにしました。
なので、リビングに立ってもダイニングに立っても、どこに立っても詰まってる感じがしないんです

――天井の角が見えないから、こんなにも広さを感じるんですね!吹き抜けになっていることでひとつひとつの空間に開放感が生まれて良いですね。

加藤さん:他にも、圧迫感を感じないように工夫したところがあって…それがキッチンの収納棚です。
収納棚をあえて天井につけない造りにしたことで圧迫感を抑えました。
さらに、棚の上から天井に向けて間接照明を当てることでふんわりと光が広がり、より広く感じられるようにしたのもポイントです。

――棚の上に間接照明を付けちゃうなんて発想がすごい!!照明っていったらやっぱり天井につけるものかと…

加藤さん:私自身、天井に照明をつけるのが好きではないんです。
光って均質になるとコンビニのようにパキッとした空間になってしまうんですよ。
あえて、天井に光を反射させることによって、空間に陰影ができて柔らかい印象になるようにしました。

“ひとつながり”を意識した間取り

――コンセプトが「ひとつながりの家」とお聞きしましたが、“ひとつながり”っていうのはどういうことなんでしょうか?

加藤さん:ダイニング・キッチン・リビングと繋がり、そのまま2階にも繋がりが感じられるお住まいにしたかったんです。
吹き抜けだけでも多少繋がるとは思いますが、緩やかに繋がりを持たせるためのクッションとして階段の途中にスキップフロアを設けました。
実際に、スキップフロアのところまで行ってみますね!!

――2階よりも目線が低くて、より近く感じられますね!!

加藤さん:2階と比べて40センチだけ低くなっているだけなんですけど、このスペースがあることで空間だけじゃなく家族との繋がりも感じられるんですよ。

――家族だとしても程よい距離感って大事ですよね。子供が大きくなるにつれて徐々に親離れをしてきたことを考えると、このくらいの距離感が最適かもしれませんね。

加藤さん:家族とみんな同じ空間にいるっていうのも良いとは思います。
ですが、ずっと側にいるよりも、ちょっと距離があった方が家族の仲も良いって聞くのでこれくらいの距離感が良いかなと思います(笑)
実はもうひとつ、ここのお住まいには特徴的なところがあるので紹介しますね。2階へどうぞ。

――この天井なんですか!?カーブしてる天井なんて初めてみました!(驚)

加藤さん:これは『Rアール天井』といいます。
なかなか見ない面白い天井ですよね!かなり施工が難しいものなんですけど、今回施工してくれたAg-工務店の大工さんの高いスキルのおかげで実現できたんです。
しかも通常のR天井と違って屋根に合わせた造りになっているので結構施工が大変だったと聞きました。
角ばった天井と比べてR天井にしたことで、空間の繋がり方が柔らかくなったので良かったです。

周辺の環境を取り込む「窓」の存在

――設計された中で1番力を入れたポイントってどこですか?

加藤さん:私の設計する住まいの特徴でもあるんですけど「窓」の入れ方にはかなりこだわっています。

――よく見ると窓の数も多いですね。窓の位置とかもこだわっているんですか?

加藤さん:どこのお住まいもそうですが、「ここにしかない」と思える窓の位置を意識しています。
開けるべきところは開けて、景色が抜けるように造っています。
こちらのお住まいの周辺には緑が多かったので、それを活かす窓の入れ方をしました。
例えば、ここのダイニングからはお隣さんの綺麗なお庭が見えるんです。
しっかり手入れもされていたので、ここはどうしても窓を設けたかったんですよ。

――食卓から緑が見えるって素敵ですね。

加藤さん:お隣さんのお庭を景色としてお借りして、自分のお住まいの一部にして楽しむって良いですよね。
四季によって変わりゆく景色を楽しみながら食卓を囲めば、家族との時間ももっと豊かなものになるのではないでしょうか。

――日射や窓の入れ方など細部までこだわりが感じられるお住まいでしたが、設計段階で何か苦労されたことはありましたか?

加藤さん:いえ、設計段階で苦労したことは、特になかったですかね。周辺の環境も良かったので楽しく設計できました。
まあ強いていうのであれば、先ほどのスキップフロアの高さを決める時がちょっと大変だったかなと…。

――高低差の40センチを決めるのってそんなに難しいんですか?

加藤さん:スキップフロアを設けることで、1階部分の天井が必然的に低くなるので、どれくらいの高さが1階も2階もちょうど良い高さになるのかなと考え込みました。
実は、スキップフロアの下の天井は2mを切っているんですが、
あまり低さを感じないように工夫しました

最後の仕上げは施主さん自身で

――今日はご案内していただきありがとうございました!!外観の形やスキップフロア、窓の入れ方などこだわりがたくさん詰まっていてとても楽しく勉強になりました。

加藤さん:ありがとうございます!最後にですが、このお住まいはまだ100%完成した訳ではないんです。

――え!?完成しているのに100%じゃないってどういうことですか?

加藤さん:建物自体は完成していますが「グランドカバー」の部分は私たちは手をつけていません。

――グランドカバー…?

加藤さん:グランドカバーとは、玄関周りや庭先など土が見えているスペースを埋めてくれる植物のことです。
これを入れることによって雑草が生えにくくなってお手入れが簡単になったり、外観がもっとお洒落になります。
今回は施主さんのご希望で、最後の仕上げでもあるグランドカバーを施主さんご自身が施工することになったのです。

――家づくりって「完成まで自分たちは待つだけ」みたいなイメージがあったのですが自分たちも参加できるって良いですね!

加藤さん:そうですね。自分たちでも手を加えることによってお家にもっと愛着も持てます。
入れるグランドカバーの種類によってお住まいの印象も変わると思うので、個性も出せて「自分たちのお家だ」と感じられる部分も増えてくるんではないでしょうか。

「ひとつながりの家」を見学して

今回は、設計者の加藤さんに説明してもらいながら見学してきました。

設計者だからこそ空間の作り方のこだわりや意図も教えてもらえたのも良かったです。

私も、家族の繋がりが感じられるような住まいをつくりたいと考えていたからすごく勉強になりました!!

そして、綺麗なR天井を施工したAg-工務店さんの技術力も本当にすごいなと感じました。

マイホームを建てる時のためにも、これからもいろんな完成見学会に参加してみたいです!

以上、新潟住宅通信のカナでした!!

バイバーイ!

 

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