マイホームを購入する人が一度は悩む、【建売住宅VS注文住宅】問題。
「建売住宅は安いからお得？」「でも安いと欠陥が心配…」などの声をよく耳にします。人生でもっとも高い買い物だからこそ、後悔したくないですよね。

そこで今回は、建売住宅と注文住宅の違いやメリット・デメリットを解説します。自分にピッタリな住まいを手に入れるために、ぜひ参考にしてください。

建売住宅とは？

建売住宅とは、土地と建物がセットで販売されている住宅のこと。すでに完成している状態で売られている場合と、建築前や建築中の段階で販売されている場合があります。

建売住宅は、間取りや仕様・設備などが最初から決まっているケースがほとんどです。購入後にオプションを追加できる場合もありますが、住宅のベースは決まってしまっているため、自由度は低いといえるでしょう。
建売住宅は1区画（1軒）のみで販売されていたり、複数区画（それぞれ1軒ずつ）で販売されていたりと、その規模はさまざまです。

分譲住宅とは違うの？

「分譲住宅」や「分譲一戸建て」と呼ばれる物件がありますが、基本的には建売住宅と同じです。土地と建物がセットになっていて、完成済みもしくは建築前・建築中の段階で販売されています。
ただし、分譲住宅は1区画（1軒）のみではなく、広い土地を分割して複数区画で販売されているケースが多いです。
実際には建売住宅も分譲地に建てられていることが多いので、同じ意味として使われています。

建売住宅と注文住宅との違い

「注文住宅」とは、外観や間取り・設備などを自由に決めて建てる住宅のこと。
設計はハウスメーカーや建築事務所に依頼し、建築は施工会社に依頼するのが一般的です。建売住宅と違って、土地は施主が用意します。
では、建売住宅と注文住宅の大まかな違いをみてみましょう。

【建売住宅】
土地：建物とセットになっている
間取りや仕様：基本的には決まっている
価格：注文住宅と比べると安い
入居にかかる期間：完成済みならすぐに入居できる

【注文住宅】
土地：施主が探して用意する
間取りや仕様：細かい部分まで自由に決められる
価格：建売住宅と比べると高い
入居にかかる期間：6か月〜1年半以上かかる

建売住宅のメリット

建売住宅のメリットは、次のとおりです。

メリット1：実際に物件を見てから決められる

建売住宅は、完成している物件を実際に見てから、購入するかどうかを決められるのがメリットです。
注文住宅は、図面で間取りや仕様を確認した段階で契約しなければなりません。けれども実物を具体的にイメージするのは難しく、完成した後に「想像と違った…」と感じる人も少なくありません。
その点、建売住宅は実際に自分の目で見てから決められるので、後悔するリスクを減らせるでしょう。

メリット2：価格が手ごろ

建売住宅の大きなメリットは、価格が手ごろなこと。
同じ規格でいくつも建築される建売住宅は、同じ建材や建具をまとめて発注できるため、仕入れが安く抑えられます。
また建売住宅は、注文住宅のように何度も施主と打ち合わせしたり、プランを練り直したりする必要がありません。その分人件費も抑えられ、手ごろな価格での販売につながっています。

メリット3：入居までの期間が短い

契約してから入居するまでの期間が短いことも、建売住宅ならではのメリットです。完成している物件であれば、契約して住宅ローンを組めば、すぐに引き渡されます。
一方注文住宅の場合、入居までにかかる期間はおおよそ6か月〜1年半以上。
入学や転勤など、引っ越したい時期が決まっている人にとっては、建売住宅のほうが計画を立てやすいといえるでしょう。

建売住宅のデメリット

建売住宅のデメリットは、次のとおりです。

デメリット1：自分好みの間取りや仕様にできない

建売住宅の大きなデメリットは、間取りや仕様を自分で選べないこと。
外壁や建具・設備など、細かい部分まで自分で選べる注文住宅と違い、自由度はとても低いです。
実際に建売住宅を購入した人の中には、「住んでみると間取りや設備が使いにくかった」「欲しい場所に収納がない」などの不満を抱える人も。

デメリット2：住まいに個性がない

複数区画で販売されている建売住宅は、同じような見た目や色の家が立ち並んでいることが多く、住まいに個性がありません。
そのため、「和モダンな家がいい」「ログハウスのような見た目がいい」など、理想やこだわりが強い人にとっては、大きなデメリットとなるでしょう。

デメリット3：土地の状態がわかりにくい

完成している建売住宅を購入する場合、土地の状態がわかりにくいこともデメリットです。
土地が軟弱だと建物の耐震性・耐久性に大きな影響を与えるため、適切な地盤改良をしなければなりません。しかし、すでに完成している物件の場合、もとの土地がどのような状態だったのかを把握しにくいのです。
とはいえ優良な不動産会社であれば、きちんとした工程を経て建築しています。少数の悪質な業者に引っかからないよう、依頼する会社は慎重に選ぶことが大切です。

建売住宅はこんな人にオススメ！

建売住宅のメリット・デメリットを考慮すると、次のような人に向いている住宅といえます。

•  すぐに入居したい
• 住み替えにかかる手間や費用をなるべく抑えたい
•  住まいにこだわりが少ない

すでに間取りや仕様が決まっている建売住宅ですが、手ごろな価格やすぐに入居できる点は大きな魅力といえるでしょう。

好みに近い建売住宅を選んで満足度を高めよう

土地と建物がセットで販売されている建売住宅。注文住宅と比べると、手ごろな価格が大きなメリットです。
しかし、手ごろな価格を実現するために間取りや仕様は決まっていて、買主が自由に選ぶことはできません。購入したあとに後悔しないよう、できる限り自分の好みに合う建売住宅を探しましょう。